水辺遍路

訪れた全国1万1,100の池やダムを独自の視点で紹介

蟹ヶ池(高知県土佐)

かにがいけ。

土佐湾の名勝・須崎の東端に位置し、地層学者のあいだでは全国的に有名な池である。
かつて絶滅危惧種のベッコウトンボが生息していたおかげで開発を免れ、太古からの姿を保っている。
この池が学者だけでなく世間の脚光を浴びたのが2008年。
文献に残る中では最大規模の宝永大津波をはるかに凌ぎ、4倍もの規模をもつメガ級の津波の痕跡が2000年前の地層から見つかったのだ。東日本大震災と同規模の津波は、この6300年のあいだだけでも15回起こっていることも地層が語っていた。
88ヶ所霊場の36番札所である青龍寺はすぐ近く。


須崎の海岸