水辺遍路

訪れた全国1万1,100の池やダムを独自の視点で紹介

宮城県

興井(宮城県多賀城)

おきのい。生活空間の中に突如現れる異空間の池。なんと古来からの歌枕であり、国の名勝である。 住宅地の中にいきなり。国名勝の池。 かなり変わりダネの池。この池にいちばん萌えるのは日本文学好き。「おきのい」と読み、沖の井、沖の石とも。 松尾芭蕉の…

日和山の沼(仮称)(宮城県仙台)

津波で、池の中にひしゃげた大型コンテナが 運河開削前は蒲沼という広大な沼地 蒲生干潟の中にある池で、発達したヨシ群落から見ると、潮の干満に関係なく池として常態化したものと見られる。これは東日本大震災の航空写真でも現在と同じような池形状をして…

深川沼(宮城県七ヶ浜)

平安時代は広大な潟湖だった 七ヶ浜は東日本大震災の被害が大きかった。海近くにある深川沼も津波に呑みこまれたことと思うが、今は立派にヨシ群落も育ち、穏やかに水面(みなも)を揺らしていた。 別名、弁天沼とも。深川沼から海側は工業地帯で、ちょうど…

二ツ石ダム(宮城県加美)

国営事業として農水省が建造し、宮城県が管理を行なう農業用貯水池。堰体タイプはロックフィルダム。 大崎の穀倉地帯である大崎耕土を潤す。その水が大崎の米を育み、銘酒「一ノ蔵」や「伯楽星」を生み出しているのかと思えば、愛おしくなる貯水池である。 …

田谷地沼(宮城県加美)

取水門側から見た田谷地沼。もともと天然の沼があったところに堤を築いたのではないかと思われる形態である船形山北麓湖沼群のひとつで、池めぐりの拠点に最適の荒沢自然館の駐車場、トイレ、ビジターハウスが隣接する旗艦池。 火山性堆積物が主体の河岸段丘…

惣の関ため池(宮城県利府)

【そうのせきためいけ。惣の関下溜池、惣の関ダム】 宮城県の愛? 湖面自由利用を謳う奇跡の水道水源池 「惣の関ため池」よりも「惣の関ダム」の呼び名の方が一般的になってきたかもしれない。しかし、この大好きな池を「惣の関ため池」と呼び続けたいと思う…

直沢ため池(宮城県大和)

【すぐさわためいけ。直沢公園】 見た感じ堤高15mあるかないか・・ハイダムスペックを満たしそうな堰体。 立派な農業用溜め池であるが、現在はインレット側が工業団地になっている。そのため、本来なら流れ込みがあるはずのワンドの一角がスパッとコンクリー…

荒井池(宮城県岩沼)

荒井池は岩沼市街地内の朝日山公園の構成要素になっている池であるが、堰体や取水設備などから公園化される前は溜め池だった可能性もある。 釣りは禁止。釣りをしている人を見つけたら連絡してくださいと、市役所と警察署の連絡先が記された看板があり、手厳…

グリーンピア岩沼の池(仮称)(宮城県岩沼)

丘の上にあるグリーンピア岩沼というレジャー施設への二車線アクセス道路沿いに四つの溜め池が次々と現れる。 これら四つの池のいずれかで、2013年6月に釣り人の死亡事故があった。 宮城県では毎年のように溜め池への転落による水難事故が起こっているが、ど…

天姓院の沼(仮称)(宮城県大和)

2016年7月、宮城県の溜め池で釣りに来ていた父子三人が池に転落して亡くなるといる事故があった。水温が低い時期ならともかく、三人も亡くなるような危険な池とは、どんな池なのか。 事故のあった池名は報じられていなかったが、新聞の写真やニュースの映像…

白沼(宮城県加美)

船形山の北側にある山池群のひとつで、湖周長1km級で長沼と並び代表的な存在。沼という名であるが、分類としては湖とすべきスケール。 鎌倉時代に発生した巨大地すべりで生まれた。よく見ると大小の二つの池が近接している。小さい方の池と道はかなりの高低…

長沼(宮城県加美)

キャンプ場の水辺空間として活用 船形山の北側にある山池群のひとつで、湖周長1km級で白沼と並び代表的な存在。沼という名であるが、分類としては湖とすべきスケール。 青野川の本流自体が鎌倉時代に発生した巨大地すべりで堰かれたもので、二つの池が連結し…

サギ沼(宮城県加美)

サギ沼と、さぎ沼湿原船形山北麓湖沼群のひとつ。 広闊な北向き斜面を埋める森林のところどころに無数の池塘が穿たれている。現地に来るまでその存在を知らなかったが、名前が分かっているものだけでも20以上の沼や池塘もある。 林道葡萄沢線との分岐点にい…

ビン沼(宮城県加美)

ビン沼船形山北麓湖沼群のひとつ。 林道葡萄沢線との分岐点にいくつかの案内看板が立つ。この林道案内板に出ていた地図に沼の名がたくさん記されていたのが、この日、いちばんの収穫。 ビン沼は林道葡萄沢線に入ってすぐのところにある。水辺へのアプローチ…

栗駒湖(宮城県栗原)

くりこまこ。栗駒ダム。 宮城県営の多目的ダムである栗駒ダムによってできた人造湖。水源は宮城、岩手、秋田の県境にまたがる名山・栗駒山。 アプローチ路となる県道はダムを避けるようにトンネルでバイパスされている。取り残されたようなダム湖は静かだ。 …

桑沼(宮城県大和)

船形山麓湖沼群の筆頭格。 船形山の南東側の山間にぽっかりと開いた魔女の瞳。そんなたたずまいの桑沼は深いブナの森に囲まれ、縄文時代もきっとこんなだったろうなという空気である。クルマでアクセスできるとはいえ、県のホームページでは四輪駆動車推奨。…

小荒沢の沼(仮称)(宮城県大和)

どこにいるか分かるでしょうか。黒くずんぐりした魚が複数、水面で波紋をつくっていた。船形山山麓の湖沼群のひとつ。 南東側山麓の拠点となる旗坂野営場駐車場から舗装県道を南に1.4km下ると、同野営場を登山口とする遊歩道終点との合流ポイントがあり、近…

すりばち沼(宮城県大和)

深いブナの森。木々の間からかろうじて水面が見える船形山山麓の湖沼群のひとつ。 駐車場、トイレ、キャンプ場のある旗坂野営場を登山口とした升沢自然遊歩道を1.3km分け入ったところにある池。 もう少し池に肉薄したかったが、ちょっとなめてかかり山歩き装…

藤沢沈殿池(宮城県栗原)

ダム湖の半分を赤い水が埋める。これぞ鉱滓ダム湖の醍醐味? 神岡鉱山と双璧をなす日本屈指の鉱山の跡地。 池の近くにある細倉鉱山は約1200年前に銀山として発見され、江戸時代に鉛、明治には亜鉛の鉱山としても開発が進んだ。岩崎弥太郎率いる三菱が鉱山開…

入釜沈殿池(宮城県栗原)

池の大部分はメガソーラーになっているが、メガソーラーの右手に堰体らしきものも見える。「入釜ダム」という表記も現地の水源涵養林の看板などに見られる。 入釜沈殿池は鉱山には付きものの鉱滓ダム。現在、水が残っている部分はわずかで、ダム湖の半分以上…

藍染湖(宮城県栗原)

あいぜんこ。荒砥沢ダム(あらとざわだむ)。藍染湖ふれあい公園 県営の多目的ロックフィルダム。 堰体下流側に日帰り温泉あり。 マークした場所は日帰り温泉。

大竹沢ため池(宮城県栗原)

金田森公園。 池周辺が森林公園として整備されている。 池には駐車場から徒歩で。 駐車場、トイレあり。駐車場と案内板 マークした場所は駐車場。

仙台・利府の野池群(宮城県)

「杜の都」の台地に点在する憩いの水辺群。 仙台郊外にあたる利府には、ため池100選に選定された加瀬沼を筆頭に、なだらかな台地に立地するタイプの野池が多く見られる。これらの丘陵地はニュータウンの造成にもむいているため、宅地と農地が混在し、農業用…

柚ノ木溜池(宮城県利府)

ゆのきためいけ。 利府野池群のひとつ。利府駅からわずか200mという立地。 取水弁の操作ハンドルのある転落防止柵つきの設備が、島のように孤立していた。このハンドルを操作するためには、ボートを出すか泳ぐしかない? 有刺鉄線つきのフェンスゲートに、農…

菅野沢堤(宮城県利府)

菅野沢溜池。 仙台と利府にまたがる豊かな県民の森の池群のひとつ、というより正確には四つである。 300〜400mクラスの中規模の野池が四段の重連になったかたちだが、このエリアの風土性といおうか、「上池」「中池」「下池」というような名称上の区別はせず…

女ヶ沢堤(宮城県利府)

幾何学と原生との調和ではなく、せめぎ合いのような。 女ヶ沢堤は、仙台と利府にまたがる豊かな県民の森の池群のひとつ。 ひとめぼれスタジアム宮城を中心とした洗練された都市公園と隣接している池で、幾何学的なスタジアムの造形と原生的でワイルドな池と…

洞ヶ沢堤(宮城県仙台)

仙台と利府にまたがる豊かな県民の森の池群のひとつ。 堰体下は完全に宅地化されているが、ニュータウン側からハイキングコースへの入口が設けられている。 この遊歩道を使って、万作堤、乾沢堤、仏沢堤、そしてこの洞ヶ沢堤といったため池をめぐりができる…

穴ヶ沢堤(仮称)(宮城県利府)

仙台と利府にまたがる豊かな県民の森の池群のひとつ。 きれいな四車線道路沿いにあって見るのは容易だが、くぼ地の底にある池に道路側から近づくのは容易ではない。 道を北に600mほど進むと、大型ローラーすべり台のある丘に出る。 道の左側が池

鳥の海(宮城県亘理)

とりのうみ。 地図を見て、あれ? と思った。 阿武隈川の河口に寄り添うような周囲6kmクラスの大きな汽水湖である鳥の海は、確かに行った記憶がある。しかも東北の海岸を襲ったあの東日本大震災の年だ。 それなのに鳥の海のページがない。 過去の写真をたぐ…

加瀬沼(宮城県利府)

かせぬま。 松島丘陵をひたす宮城県最大のため池。 ため池100選に選定された周囲4kmの立派なため池。大規模公園として整備されており、池をすっぽり取り囲む広大な敷地の雑木林や芝生広場で構成される。 駐車場も充実しているが、夜間は閉鎖となるので注意。…